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「神様…!?
なにをなさるつもりです…!」
「決まっている…」
神様がゆっくりと手を挙げていくと、俺の体が空中にゆっくりと浮かんでいった。
「熾天使エスタウェル…
…君は有能で信頼のある天使だったよ…」
……神様の言葉を聞いた瞬間だ…。
…背中が焼けるような激痛がはしった。
「ぐぁああ!!」
…翼の感触が…、なくなった…。
「……神…様…」
血が吹き出し、痛みに襲われ、意識が薄れていく…。
「お前の心には[自由]がある…
でなければ私に刃向かうなどと意志はなかったはずだ…」
何かが開く音がかすかにした…。
「自由を持った元熾天使よ。
……堕するがいい…
そして、二度と天に帰るでない…!」
…体に自由が戻った。
だが…、血を流しすぎた…。体を反転させることすらままならない…。
「…………ゼウス…様…」
真っ逆様に落ちるさい、今まで見ることの出来なかった神様の顔を拝むことが出来た…。
純白で立派な髭…、すべてを見透かす青い瞳…。だが、その瞳に写る俺は…
「本名で呼ぶな…
………堕天使風情が……」
…軽蔑の眼であった…。
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