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あれから、いったいどれくらいの時間がたったのだろう…?
「……………」
どこだかわからない所に、ひどい土砂降りの中、俺は倒れていた…。
「………う…ぅ…」
寝ていても仕方がない…、うつ伏せになっていた体を少しだけ起こしあたりを見渡した。
地面は荒れていて、雑草と砂利だらけ…。あたりにはなにもなく、雨を凌ぐ物すらない…。
「……ぐっ…」
体がほとんど動かない…。起こすだけでも背中が体が悲鳴を上げる…。
とりあえず膝を抱えて座った…。寝ているよりはましだ…。
(…よく降るなぁ)
重くじっとりとした空を見上げた…。
この雨…、今の俺の様だ…。
落ちたらもう、雲には帰れない…。一生ここで暮らすしかない…。
(………天に帰りたい…)
そう願い…、静かに俯いた…。
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