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「今夜も一人、寂しくナイター観戦か」 山之内義孝は、缶ビール片手に、CS放送の阪神横浜戦を見ていた。 今夜も妻の真理子は、遅くなると連絡が来た。 仕事を終えて帰宅して、一人で食事をする日々が、何日続いただろうか、山之内は、空になったビールの缶を握り潰す。 「もしもし、久しぶり、元気だったか」 山之内は、大学の同級生の棚橋からの電話で、うたた寝から起こされる。 「相変わらず、貧乏暇なしだよ。それより、今度、一度飲まないか」 「良いね。俺は、定時上がりの事務屋だから、棚橋の都合に合わせるよ」 「明後日の金曜日はどうかな」 「俺は、大丈夫だよ」 山之内は、煙草に火を付け、棚橋と明後日の時間と場所を決めて、電話を切る。 リビングのテーブルの上を簡単に片付けて、山之内はシャワーを浴び、寝室に行く。
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