19人が本棚に入れています
本棚に追加
「今夜も一人、寂しくナイター観戦か」
山之内義孝は、缶ビール片手に、CS放送の阪神横浜戦を見ていた。
今夜も妻の真理子は、遅くなると連絡が来た。
仕事を終えて帰宅して、一人で食事をする日々が、何日続いただろうか、山之内は、空になったビールの缶を握り潰す。
「もしもし、久しぶり、元気だったか」
山之内は、大学の同級生の棚橋からの電話で、うたた寝から起こされる。
「相変わらず、貧乏暇なしだよ。それより、今度、一度飲まないか」
「良いね。俺は、定時上がりの事務屋だから、棚橋の都合に合わせるよ」
「明後日の金曜日はどうかな」
「俺は、大丈夫だよ」
山之内は、煙草に火を付け、棚橋と明後日の時間と場所を決めて、電話を切る。
リビングのテーブルの上を簡単に片付けて、山之内はシャワーを浴び、寝室に行く。
最初のコメントを投稿しよう!