《第九章》

10/14
前へ
/114ページ
次へ
    「後から取り付けたんだってさ」   俺の《?》を見透かすように、HISASHIが答えてくれた。そして… 「…っつーかさぁ、TERUもその話、聞いてたはずだろ!アーシアンが話してた時、一緒に居たんだから。」   ・・・ついでにイタイつっこみ、Thank you…   「まぁ、あんな話だからな。全部覚えとけって方が無理だよ。ましてや【記憶】が戻ってる以上、そっちの方が優先されても不思議はないさ。…テッコなら特に…」   ・・・TAKURO、フォローがフォローになってない…   「もういいじゃない、その話は。アイツらに追い付かれる前に、早く進まないと。」 JIROの言葉に、俺達は改めて目の前の門、そしてその奥の、薄暗い穴を見つめた。   「ジローの言う通りだな。奴らもきっと、近くまで来てるはずだし…テッコ、開けてくれ。」 「うん、わかった…」   俺は手の中のカギをもう一度強く握りしめて、そしてそれを鍵穴に差し込んだ―――  
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加