《第二章》

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    しばらく、全員無言で周りを探るように見ていた。   オレは3人の様子を気にしながら、「何か、見えたか?」と、聞いてみた。 テッコもトノも、ただ黙って首を横に振った…だが、ジロウだけは、すぐに返事がなかった。彼の視線は、彼方にある《何か》に向けられている。 「ジロウ?」 「タクロー君、あれ…動いてる…よね?」 そう言いながらジロウが指差した先の《何か》を、オレ達は一斉に見た。   …確かに、動いてるようにも見えるな。 「こっちに来てるっぽい…」 目を凝らしながら《何か》を見ていたテッコも、同じ結論らしい。 トノは無言で、激しく警戒しながら見ている…というより睨んでいる。    
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