その痛みもまた愛の形。

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  僕は女王様の忠実な下僕。 言いつけ通り、女王様の望む儘  斬首の儀にお付き合いする。   「刃向かうもの全てに死を。」   冷たく鋭いその言葉とは相反した そのどこか熱に浮かされたような   艶やかな表情。   振り下ろされる 無慈悲な巨大な斧。   その切り口から吹き上がる鮮血。 女王様のお顔に ぴしゃっと飛び散った紅い飛沫    (あぁ、あれが 紅でなく白だったならば 何て卑猥な光景だろう。)   ついつい顔が緩んでしまう。 基から締まりのいい顔ではないが     ―…ヒュッ       え…?       パシィィィンッッ       頭部の芯まで響く 鮮烈な音     「っ…ぅう…じょぉう…さま?」    何が起こったんだろう… 一瞬脳震盪を起こしかけた。 頬が異常な熱を持っている     「のう、猫よ。貴様今何を考えておった。返答次第ではその首どうなるか…     分かっておろうな?」     背筋が凍り付きそうなくらい 冷気を帯びた微笑
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