知音

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そして真は持っていた辞書を勢いよく閉じた。ボフンと気持ちの良い音がする。 机に頭をのせだらける姿が何ともだらし無い。 「もー知るかっ後遥喜よろしく!」 「お前なぁ…」 とゆうか真は電子辞書を持っていたはずだが、俺の辞書を勝手に使っているあたり持ってきてないのだろうと予測する。 でも宿題は持っていた。謎だ。 「人の辞書使っといてそれはないだろ」 「だってこんな分厚いもんからたった一つの単語探すんだぜ?」 電子辞書で慣れてるからか無理らしい。 俺は辞書を手に取り引き始める。 「持ってくりゃよかった…」 「宿題は持ってきたのにな」 「遥喜に見せてもらおーと…」 ぐだぐだと机の上を転がる頭を叩く。 「見つけたぞ」 「マジで?早くね?」 真はのっそりと頭を上がる。
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