第一章:発見

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「あっ!すいません!私田舎から出てきて地図を見ながら歩いてたんで… ケガはありませんでしたか!?」 相手の女性は少し訛りの入った言葉遣いで顔を真っ赤にしながらペコペコ頭を下げて謝った。 「いやいやいや。すいません。多分この子もよそ見してたんだと思うからどっこいどっこいじゃないですかね」 「考え事ですっ!」 笑いながら言うジュンに奈緒は頬を膨らませながら突っかかる。 2人のやり取りを見て女性はクスッと笑いをこぼした。 「良かった。都会の人はなんだかちょっと恐かったんですけどお二人は優しそうで。お二人はご兄妹ですか?」 「いやあ、ちょっといろいろ訳アリで… 兄妹でも恋人でもないんですよ。強いて言うなら仕事仲間…かな?」 「私が先輩ですよ!」 奈緒が胸を張って誇らしげに言った。それを見た女性はまたクスリと上品に微笑んだ。
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