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「脅迫……確かに脅迫ではありますけどあれは仕方なくですよ?さっきも言ったように何の証拠もないと殺人を認めさせられないじゃないですか?」
「何の証拠もって……じゃあ携帯は?」
「可愛いストラップでしょー」
つまり証拠の録音などなかったということらしい。ジュンは少しだけメイドの言葉(?)を理解できて嬉しくなった。
「じゃあメイドさんは最初から雪満さんの味方じゃなかったんですね?」
「私は犯罪者は嫌いなのです。昔家族を強盗に殺されたんですよ。母も父も兄もみーんな包丁で刺されて。
ま、私も刺されたんですけど運良く生き延びたって言うか。その後、身寄りもなくなって困ってたときにここの旦那様に拾われたわけですけどね」
(そんな過去があったのか……この人に)
自分の過去を話すときだけはメイドは演技ではなく本気で悲しそうな顔をしていた。
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