第八章:雪解け

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「とにかくそんなわけで私は犯罪者は死んでいいと思っています。……ってこんな話はもういいですね。さっさと警察呼びましょう。 どうせ旦那様は殺人未遂で捕まるし、取り調べの中で涼太さんの件についてもゲロするでしょう。えーと……お嬢様?」 「……は、はい」 「申し訳ないですが私今月いっぱい、いや今日中にこの屋敷出ていきますね。今まで旦那様に恩があってここから出れなかったんですけどもう恩も感じないし。 そろそろ自由に生きたいんです、私らしく」 「それは……止めません。私に止める権利なんてありませんから。でも……」 水樹はメイドに抱きつくと涙をボロボロ流した。 「私は……あなたに感謝しています。 この屋敷に来た日から今まで私のわがままに付き合ってくれたり……そして今日も大変な迷惑をかけてしまい…… あなたは私たち家族を嫌っているでしょうけど私は大好きです……」 メイドは困ったように頭を掻くと自分の体から水樹を引き離してふてぶてしい顔をしながら背を向けた。 「探偵さん」 「はい?」 「私の名前は水樹 明夜(ミズキ アヤ)。 水樹家の一員です。もしまた会ったときのために自己紹介だけしておきます。ではさようならまた会いましょう」 明夜は背を向けたまま手を振り、その足で屋敷から出ていった。
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