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~事件当日・雪満の部屋~
『お父さん、俺は今日最後の別れ話を冷子にしてきました』
『……貴様に父親呼ばわりされる覚えはない』
『……俺は冷子の気持ちを何よりも大切にしたい。今日最後の別れ話をしたと言いましたが彼女の答えはNO。別れたくない、です。
俺も覚悟を決めます。もしお父さんが俺達の結婚を許してくれないのなら……冷子と2人でこの家を出るつもりです』
『なんだと!?ふざけたこ……いや。
……冷子にそれは話したのか?』
『まだです。しかし結婚を許してもらえないなら話すつもりです』
『…………わかった。私の負けだ。
涼太、今まで悪かったな。しかしお前がそこまで冷子を想ってくれているとは』
『じゃあ……結婚を許してもらえるんですか!?』
『もちろん……だがその前に……庭に樹が生えているだろう?実はあそこに冷子を任せるに相応しい相手に渡すモノがある。だが私は少し足が痛くてな……
庭に取りに行くのは……』
『何言ってるんですか!俺がおんぶしていきますよ!』
『そうか?悪いな。では少し……
“おぶっていってもらおうか”……』
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