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屋敷の門の所に行くとジュンの言った通り、水樹が体を震わせながら庭石に腰を下ろしていた。
水樹はジュン達が来たことに気付くと立ち上がり顔を背けながら口を開いた。
「行ってしまうんですか?」
「まあ……俺達は探偵ですから。事務所に帰って次の依頼者を待たないと」
水樹はそれを聞いて「そうですね」と呟くとパンパンに膨れたぶ厚い封筒を差し出した。
「これ……事件を解決してくださった報酬です。少ないですが500万円入っています。受け取ってください」
(500万って少ないのかなぁ?私は子供だからあんまりわからないけど……)
水樹はそう言って封筒を渡そうとするがジュンは受け取らなかった。
「俺達事件解決できなかったから受け取れないですよ。事件を解決したのは明夜さんじゃないですか!」
ジュンがそう言うと水樹は目に涙をためて首を横に振った。
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