第一章:襲撃

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「一輝、タバコない?」 「ねーよ」 「使えねー……」 恭子はヘビースモーカーでありタバコは酸素より大事だという持論を持っている。なのでタバコが切れたらすぐに誰かにたかるが一輝はタバコを吸わないため渡すタバコがない。もちろんいつものことなので恭子も期待はしていない。 ブォンブォンブォン…… しばらく歩いていると不意にバイクが近づいてくる音がした。 「なんだ族か?」 振り返ると遠くからバイクのライトが数個。ジュンなら慌てるのだろうがこの姉弟はいろいろとこういうのは慣れているため取り乱すことはなかった。 ブォンブォンブォン…… 「だあああ!うっせー!……ん?」 どうりでうるさいはずだ。と一輝は納得した。 バイクは通り過ぎることなく、2人を逃げられないように囲みエンジンをふかしていたからだ。
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