第二章:誘導

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あれから一時間後、一輝は恭子と一緒に事務所に行きジュン達に事の一部始終を話した。なんと言っても気になったのは一郎をおびき出すために襲われたことだった。 「……なんで先生を?でもそんなことより一輝さんは大丈夫だったんですか?」 オロオロしながら訊ねた奈緒に一輝は親指を立てて見せた。 「まっ、“サメハダの一輝”と呼ばれた俺を襲ったのが運の尽きだな」 「何言ってんだよ顔面殴られたくせに。あたしがいたからあいつらの戦意が喪失したんだよ」 恭子は腕を組みながら壁にもたれて余裕の笑みを浮かべてそう言った。 「そんなことより気になるのはお前の先生とやらが狙われてるっつー事だろ? 誰もお前の心配なんかしないから早く話しな」 男勝りな口調の恭子を見てジュンはまた厄介な人間と関わってしまった。と思っていた。
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