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「確かに一輝を襲えば一郎さんの気を引けるって知ってないとダメですね。そしてそれを知っているからには俺たちの事も少なからず知られている?」
「当たり。どの時期の事務所の事を知っているのかはわからないけどもしかしたらあたしの事も知られてるかもしれない。
何にしても相手の目的がわからないと無闇に動くとやられちゃう。
一郎くんを殺すつもりなのか、それとも他に何か目的があるのか……」
真剣に考え込む一同をよそに恭子は髪の毛を手で整えながら、不思議そうに訊ねた。
「さっきから一郎、一郎言ってるけどそれ誰?」
「姉貴……一郎ってのは先生の名前だ!」
「は?」
恭子は事務所に来る前に買ったタバコに火をつけると一輝をバカにするような顔でぶっきらぼうに言った。
「先生は狙われてる人だろ?あいつら“一郎”なんかじゃなくて“神野 光”ってたじゃん。じゃあ神野は誰なの」
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