第二章:誘導

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「神野 光!?一輝くん……いや、お姉さんそれ本当?」 「本当本当。神野 光をおびき出すためにどうたらっつってたよ」 早苗は恭子の言葉を確認すると冷や汗を流した。 「どうかしたんですか?早苗さん」 「どうかしたじゃないよ…… 犯人は坂崎 一郎じゃなくて神野 光を狙ってた。これはすごい大変な事だよ」 イマイチ意味が分からない様子の奈緒たちに早苗は汗を拭いながら説明する。 「神野 光=坂崎 一郎。これを知っている人間は世界中探してもほとんどいないの。神野 光として関わった事件も少ないし何よりも神野 光は“神殺し事件”で死んだから。 だから坂崎 一郎と神野 光が同一人物だって知ってるのは今ここにいるあたし達を除くと警察の一部……響とかね。 ……と“Ⅹ”みたいな裏の犯罪組織とかその辺りの人間だけなの。 でも今回の犯人は神野 光を狙ってる。つまり犯人は数少ない『神野 光が生きてること』を知ってる奴ら。 ……もしかしたらこの事件、想像以上に早く終わるかも」
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