第二章:誘導

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(よく回る頭だ。今与えた情報だとその程度推理できれば申し分ない) 守谷は早苗の推理に感銘を受けた振りをして、目を点にしながら手を叩いた。 「参りましたね。僕の考えは全て読まれているみたいだ。心を見透かされてるみたいで怖いなぁ。いや、しかし是非協力してもらいたいです」 「協力っていっても……やっぱり見ず知らずの人だし、今はちょっとややこしいからなぁ」 「ここは探偵事務所でしょう?だったら依頼という形で協力をお願いします」 「依頼だったら受けるかどうかはジュンくんが決めて?」 ジュンは一連の話を聞いていてあまり守谷を信用しようとは思わなかった。しかし犯人は一郎を狙っている。 そのためにはこちらとしても守谷の協力なしには犯人を追えないだろう。 「……じゃあ守谷さんが味方だって信用できたら協力します。今度はこっちが試す番になりますがいいですか?」 守谷は自分の予想通りの展開に見えないように口元をほころばせながら頷いた。
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