第二章:誘導

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「もちろん。気の済むまで試してもらった方がこちらとしても好都合です。後から『だから協力したくなかった』なんて言われたくないですからね」 「じゃあ……質問に正直に答えてください」 ジュンは奈緒に目で合図を送った。 奈緒も笑顔を作って返事をする。 「あなたは俺達の味方なんですか?」 「……?もちろん味方です。しかし一体これは……」 不思議そうに訊ねる守谷。ジュンは奈緒が首を縦に振るのを視界の端に捉えた。 「守谷さん。俺はあなたを信用します。 早苗さんもそれでいいですよね?」 「もちろん。あたしも一郎くんを狙う憎すぎる犯人を叩きのめしてやりたいしね!」 実際に被害にあった一輝が寂しそうに遠くを見ていることに気付き、恭子は慰めるように肩に手を置いた。
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