第二章:誘導

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「では協力していただく上で一つ条件が」 「条件?」 「明日にでも事務所を離れてもらいたい。理由はもちろん、犯人が事務所を襲撃する危険があるからです」 「でも……」 事務所を離れることは特に問題ないかもしれない。しかしもし一郎が留守の間に帰ってきたら……という考えが頭をよぎる。 「大丈夫です。心配しなくとも犯人はすぐに捕まえられます。今心配するべきなのは自分の身の心配です。 犯人側の視点に立って考えれば居場所のわからない人間をおびき寄せるためにまずあなた方を攻撃してくるのは必至。 ……っと。もうこんな時間ですね。明日、朝一番に車で迎えに来ます。 詳しい話は明日また……それでは」 守谷は言いたいことを言うとさっさと事務所から出て行った。
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