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「坂崎さんの娘……?じゃ、じゃあ坂崎さんはここにいたんですか?」
「今言った通り少し前に用事で海外に行きましたけどそれまではいましたよ」
「じゃあもしかしてワタヌキさんは坂崎さんの助手か何かを……?」
「んー……まあそんなとこです」
(※実際は無理やり雇われただけ)
「そうなんですか…で、でも…
私が依頼したい仕事は警察すら手を引いているほどで……」
水樹は悔しそうに拳を握り、唇を噛んだ。
「もしかしたら私の思い違いかもしれないし……」
大粒の涙を流しながら言葉を絞り出すように声に出す。そんな水樹を励ますようにジュンは明るい声で昔の事を思い出しながら話し始めた。
「思い違いなら思い違いでいいと思いますよ。でも水樹さんが一郎さんに会いに来たのはそのモヤモヤをハッキリさせたいからですよね。
俺も実は一郎さんとナオちゃんにお世話になったことがあるんです。
一郎さんはいませんが、俺とナオちゃんで力になれるならなんでもします。
だからもし良かったら俺達を頼ってみてください」
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