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「なんでここに……お前は今、外国にいるはずじゃ……」
「詳しいね。昨日までアメリカにいたけど今日帰ってきたんだよ。用事も済んだし、事務所で一服しようと思って」
一郎はそう言いながら稲葉が手に持つ箱に目をやった。稲葉は慌てて箱を後ろに隠す。
「………。なるほど……大体わかってきた。悪いけどそれ返してもらえないかな?大事な物なんだ。返さないなら……」
「うるさい!おい、お前ら!こいつを取り押さえろ!殺さない程度に痛めつけろ!」
ニヤニヤ笑う一郎に部下達が襲いかかる。だが、一郎の後ろから現れた男がこちらに二丁の銃を向けていることに気付き一斉に動きが止まった。
「な、なんだあいつは!リストには……」
「お前が何だァ?不法侵入に窃盗未遂じゃねえのか?おまけに暴行もやらかそうとしてたな。おい、一郎。
こいつら撃っちゃっていいのか?」
男は舌をペロッと出しながら一郎に訊ねた。
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