第三章:帰還

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「とにかく僕は奈緒ちゃん達……僕自身の大切な友人が何かしらの事件に巻き込まれたと考えています」 「奈緒ちゃん達?奈緒ちゃんだけじゃないのか?」 「アメリカで話したように奈緒ちゃんの他に3人の友人がいるんですよ。そして彼らは全員事件に巻き込まれている……」 「なぜ全員と言える?」 「これです」 一郎はポテトチップを口一杯に頬張りながら手を伸ばし、机の引き出しを開いた。そして中から小さな箱を取り出すと桐生に手渡した。 「開けてみてください」 言われたとおりに開けると、箱の中にはもう一つ箱が入っていた。そしてその箱の上にはメモ用紙が置かれていた。 「なんだこれ……『今度はあたしにもちゃんと見せてね』……。昨日の日付入りで何やら手紙が入っているが」 「つまり前田 早苗の関わりを証明する手紙です」
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