第三章:帰還

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「でもまあ、彼女たちが関わっていようがいまいが関係ないですけど。奈緒ちゃんに聞けばいいだけですから」 緊張感のかけらもなくあくびをして一郎は奈緒の携帯に電話をかけた。 しかし一分が経過しても通話状態にならないのであきらめたのか受話器を置く。 奈緒は普段からマナーモードなどに設定することはないため気付かない、ということはない。中学校でもしょっちゅう授業中に携帯が鳴っていたようだ。 だが現に繋がらないという事は監禁もしくは軟禁……少なくとも携帯を自由に見れる状態ではないのだろう。 一郎の顔に一気に緊張感が増す。 「桐生さん、とにかくみんなの行方を追いましょう。昨日までこの事務所にいた事は間違いないのであまり遠くには行っていないと思いますが……いや、乗り物によっては海外でも……とにかく急ぎましょう。捜査官だったあなたの力を借ります」
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