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「ありがとう…本当にありがとうございます。そこまで言っていただけるならお話だけでも聞いてください」
水樹は笑顔を取り戻し、そう言った。
ジュンも奈緒と顔を見合わせると『喜んで』と答えた。
「実は一昨日……私の彼が死んでいるのが自宅の庭で発見されました。
彼は庭に生えている木にぶら下がったロープで首を吊った状態で発見されました」
「なるほど……自殺ですか?」
「………。
私はそうは思ってないんです。
しかし庭には雪が積もっていたんですがその足跡も“行き”の分だけで…
警察も完全に自殺だと言って捜査を終わらせました。でも……でも!」
水樹は声を強める。
「彼が自殺するはずがないんです!する理由がないんですから!」
涙を流しながら言い切った水樹だが、奈緒が少し申し訳なさそうに水樹の肩を叩く。
「水樹さん…ウソはダメです。私達を頼ってくれるなら正直に全部教えてください」
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