第一章:発見

14/19

5207人が本棚に入れています
本棚に追加
/1017ページ
「ありがとう…本当にありがとうございます。そこまで言っていただけるならお話だけでも聞いてください」 水樹は笑顔を取り戻し、そう言った。 ジュンも奈緒と顔を見合わせると『喜んで』と答えた。 「実は一昨日……私の彼が死んでいるのが自宅の庭で発見されました。 彼は庭に生えている木にぶら下がったロープで首を吊った状態で発見されました」 「なるほど……自殺ですか?」 「………。 私はそうは思ってないんです。 しかし庭には雪が積もっていたんですがその足跡も“行き”の分だけで… 警察も完全に自殺だと言って捜査を終わらせました。でも……でも!」 水樹は声を強める。 「彼が自殺するはずがないんです!する理由がないんですから!」 涙を流しながら言い切った水樹だが、奈緒が少し申し訳なさそうに水樹の肩を叩く。 「水樹さん…ウソはダメです。私達を頼ってくれるなら正直に全部教えてください」
/1017ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5207人が本棚に入れています
本棚に追加