第四章:恋心

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「前田さん、食事ができましたよ」 海を眺めていた早苗の肩を守谷が叩いた。海が見えるといってもここは港や海岸ではない。山だ。守谷が事務所を離れて身を隠す場所に選んだのは車でも険しい道を越えてやっとたどり着けるような山の中だった。 もちろん、食べるもの寝る場所などは守谷が用意しているがキャンプをしているような感覚だった。実際、奈緒と一輝はご飯を炊いたり、テントを張ったりする作業にノリノリだった。 かくいう早苗も内心楽しんではいたが。 「ありがと守谷さん。ところで、いつまでこの山にいるの?身を隠すのはいいけどずっとこんなとこにいてもらちがあかないよ」 「一応、犯人達を追う作業も実行はしています。しかし何分、データの上での捜査なので時間はかかるでしょう。 若い女性を山奥に軟禁しているようで申し訳ないですが三日ほど我慢してくださいね」 守谷はイタズラっぽく笑いながらそう言った。
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