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「願い事があるというのは良いことです」
隣に腰を下ろしながらそう言う守谷に、早苗はぶすっとした表情で答えた。
「それが叶わない願いでも良いこと?」
「世の中に叶わない願いなどないと僕は思います……ただ、願い続けられるかどうか。願い続ければ必ず願いは叶うけど、願うことを止めればそれは願い事ではなくなり、永遠に叶うことはなくなる」
「……難しいね」
「理屈の問題ですよ。叶うのは願っていたからで、叶わないのは願いが足りなかったから。……この意味、わかります?」
守谷の言葉に早苗は首を傾げるばかりだった。
「わかんないよ」
しかし願い続けることで必ず叶うのならばそうあってほしい。早苗は密かにそう願っていた。
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