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しばらくすると早苗の体温は無事常温に戻ったようだが、恥ずかしそうに頬を赤らめていた。
「……前までは照れたりせずに普通に言えたんだけどなぁ。なんで今日はこんなに恥ずかしいんだろ」
「前田さんの想いがそれだけ真剣だということですね。僕にも十分伝わってますよ」
「そ、そう?」
「もちろん。早く叶うといいですねその恋」
早苗は恋が叶ったときのことを想像して、またオーバーヒートした。
柔らかい草の生えた地面に横になり、空を見上げてみると不思議と心が落ち着いた。
「守谷さんってあたしの事、けっこうわかってくれてるよね。最初は苦手なタイプかなーなんて思ってたけど、今はもう仲間だと思ってるよ!」
早苗はそう言って起きあがり、右手を差し出した。守谷は「?」マークを頭に浮かべて首を傾げる。
「握手っ!」
「あ、ああ。すいません」
ハンカチで手の汗を拭い、守谷は早苗の手を握った。
「よろしくね守谷さん!」
「……えぇ。……よろしくお願いします」
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