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「え……ウソ…?い、いえっ!
そんな私、ウソなんか……!」
目に見えて動揺し始めた水樹にジュンは落ち着いた口調で言った。
「ウソをついたわけじゃないなら……“彼が自殺をする理由”……水樹さんは心のどこかでなんとなくわかっているんじゃないですか?」
「まさか……」
水樹はなんとしてもはぐらかすつもりらしい。自殺をする理由などあるはずもないと否定を続ける。
しかしジュンには、いや奈緒には全てが見えている。
「水樹さん、実はこのナオちゃん、ウソを見破ることが得意でその力は百発百中なんです。
まあ超能力くさいですけどウソはバレバレって事で……」
「ううっ……うわあああん!!」
「え?」
ジュンは“真眼”の紹介をしただけのつもりだったが水樹は声を上げて泣き出した。もしや追いつめすぎたのだろうか?
横目で『うわっ、女の人泣かしてる』という冷たい視線を奈緒に送られたジュンは突然罪悪感に駆られ、自分が泣きたくなってしまった。
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