第五章:上回る者

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「先生っ!いつ帰ったんですか!?帰ってきたんなら連絡くださいよぉ!」 『電話したよ、帰ってすぐにね。ところで奈緒ちゃん、今どこにいるんだい?』 「今ですか?え~っと……」 奈緒は窓の外に、居場所を知ることが出来る物を探すが看板もなにもない。あるのはうっそうと茂るあぜ道のみ。 「すいません……今どこにいるかはわからないです」 『……なるほど。ワタヌキくん達はいるかい?』 「いますよ!一輝さんも早苗さんも!」 電話の向こうから誰かと話し合うような音が聞こえる。一郎は今誰かと一緒らしい。 『それ以外にそこに誰かいるだろう。その人物はこの会話を聞いてる?』 「いえ、今電話してるみたいです。少し離れた場所にいますよ」 守谷は時折、笑ったりしながら電話を続けていた。
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