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「先生っ!いつ帰ったんですか!?帰ってきたんなら連絡くださいよぉ!」
『電話したよ、帰ってすぐにね。ところで奈緒ちゃん、今どこにいるんだい?』
「今ですか?え~っと……」
奈緒は窓の外に、居場所を知ることが出来る物を探すが看板もなにもない。あるのはうっそうと茂るあぜ道のみ。
「すいません……今どこにいるかはわからないです」
『……なるほど。ワタヌキくん達はいるかい?』
「いますよ!一輝さんも早苗さんも!」
電話の向こうから誰かと話し合うような音が聞こえる。一郎は今誰かと一緒らしい。
『それ以外にそこに誰かいるだろう。その人物はこの会話を聞いてる?』
「いえ、今電話してるみたいです。少し離れた場所にいますよ」
守谷は時折、笑ったりしながら電話を続けていた。
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