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守谷が扉を開くとそこには驚くような光景があった。
地上の倉庫とは対照的に、広く清潔感溢れる白一色で統一された部屋がそこにあった。何人かの男女がパソコンに向かって気難しい顔をしており、部屋の奥には見たこともない大きなコンピューターが置いていた。
「すげえ!なんだこのNASAとかにありそうな研究室!」
「なかなか揃えられないよこんな設備……」
「……あっ!守谷さん!」
一同が物珍しそうにきょろきょろまわりを見回していると白いコートを着た女性が守谷の元に駆け寄ってきた。
「ああ、紹介しますよ皆さん。彼女はうちの秘書の……」
「朝日さん!?」
早苗が守谷の言葉を遮って女性の手を握る。この女性こそ、9年前、美術館で起きた事件の数少な早苗の知り合いだった。
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