第五章:上回る者

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「朝日、彼らを部屋に案内してあげて。ああ、坂崎さんはここに残って」 「へ?はぁい」 こうして奈緒以外は朝日に案内され、別室に連れて行かれた。そして奈緒も守谷に連れられ小さな個室に案内された。 「どうぞ、かけて」 パイプ椅子を組み立てて、奈緒の前に押す。奈緒はちょこんと椅子に座ると物珍しそうに部屋の中を見回し始めた。 やがて守谷が口を開く。 「坂崎さん、さっき携帯を受け取ったとき誰かと通話中になっていましたがあれは一体?」 「あれ?あれは先生と電話してたんですよ!なんか私達の身が危ないなら助けに行きたいって言ってたんです。あっ、そうだ!ここってどこなんですか?先生が聞いてましたけど……」 「……先生。坂崎 一郎さんですね。そういう事なら心配いりませんよ。僕から連絡をしておきますから」
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