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その後、守谷は一変機嫌を良くした。時計を気にしながら朝日に電話の内容を詳しく話し、ケーキを食べる。ほとんど菓子の類の食べ物は口にしない守谷だが機嫌が良いときだけはそれらを食べるのだ。
「しかし……もう“金魚のナミダ”は手に入ったも同然ですし、人質は殺すなりしてしまって良いのでは?彼らをずっとここに置いておくわけにもいかないでしょう」
「彼らは実に張り合いがない」
一言、そう言って紅茶をすする守谷。当然、朝日に守谷の言葉の意味は分からず首を傾げる。
「彼らをここに置いていても適当な理由をつければすぐにそれを信じる。“真眼”に頼りすぎて嘘が見えなかったら真実だと思い込むんだ。もちろん僕は嘘など見せない。だからこの先、彼らを殺すことがあるとすれば、『僕が』『この手に』『金魚のナミダを手にした』時だ」
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