第六章:伏兵

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「守谷さん、なんで!?あの時、星を見ながら話をしたときは……こんなことする人じゃ……」 「……こんなことする人じゃない、あんなことする人じゃない……お」 守谷の感情を抑えるものはもう、何もない。 「お前に何がわかるんだああああ!?真っ当な人生を歩んで苦労なんかしたことないお前に!生まれながら裏の世界で生きるしかなかった僕の気持ちはわからないだろ!?だからそんなに頭が悪いんだよぉ!!あっはっはっはっは!いいかぁ?これはビジネスなんだ。大事なビジネス。しくじれば命がない。仕事とは命を繋ぐための契約。“金魚のナミダ”は僕の命を保証してくれる。だから手に入れないといけないのさ……早苗さん、バカなあんたでもわかるだろ?」 『狂っている。』 それが早苗の答えだった。
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