第六章:伏兵

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「厄介なのが“Ⅹ”以外にもいたんだな……」 「ま、仕方ないだろ。で、守谷。銃を捨てろ。さもないと撃つぞ?」 「………」 守谷はしばらく沈黙していたがやがて歯を食いしばって叫びながら朝日を探し出した。 「あさぁぁぁひ!どこだ!出てこぉぉい!!」 すると呼びかけに答えるように扉が開き、朝日が現れた。一郎は朝日を見て「どこかで見たような」と顎に手を当てている。朝日は息を切らしながら周りを見渡し、叫んだ。 「前田さん助けて!守谷に殺される!」 「……は?朝日……?」 そこにいる全員が耳を疑った。守谷の仲間だったはずの朝日が泣きながら守谷から逃げようとしている。一人ずつ、状況をかすかにだが理解していく中、守谷だけは何が起こったのかわからないという表情で立ち尽くしていた。
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