第六章:伏兵

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「と、とにかくこっちに来て朝日さん!」 守谷は目を白黒させている。朝日を救出するのは今しかない。早苗の声に従い、こちらに駆け出す朝日。だが守谷はそれを見逃しはしなかった。 「なるほど……そういうことか。そういうことなら……」 守谷は銃を朝日に向けた。桐生が叫ぶが守谷は狂気の入り混じった目で、標的に狙いをつけ、引き金をひいた。それに反応して桐生も守谷に弾を放つ。 桐生の弾は守谷のわき腹に命中した。 「う……あ……」 そして、守谷は倒れた。死んだのだろうかぴくりとも動かない。こちらの人間には守谷の生死など気にしている余裕はなかった。守谷の凶弾により、肩を貫通された朝日が気を失ってしまっているからだ。
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