第二章:到着

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まだ日も昇っていない薄暗い駅で電車を待つのはほとんど拷問に等しいものがあった。 今、ジュンと奈緒は朝一の便で岩手に向かうため、真っ暗な駅で特急を待っていた。水樹はというと、やはり無断で客を連れていくのは厳格な父が許さないだろうということでジュン達より一足早く、岩手に帰ったのである。 ジュンは手で口を覆って息を吐きながらぼんやりと水樹の父はどんな人だろうと考えていた。 やはり、いつぞやのヤクザのように豪快な男か。はたまた頑固一徹の鬼軍曹か。 いや、軍曹ではないけど。 とにかく今から心の準備をしておかなければ世間は変わった人間が多いことをジュンはこの一年でよく学んでいた。 今から頭が痛い。 ……と、そんな事を考えている間に夜の闇の中に列車の照明が近づいていることに気付いた。
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