第二章:到着

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気がつくと、窓の外はすっかり明るくなっている。いつの間にか眠っていたようだ。 (………………あっ!) 向かいの席で気持ちよさそうに寝息をたてている奈緒の足元にはカイロの袋が散乱している。 (……露出癖があるのかこの子?) それにしてもいやに外が明るい。 ジュンは自分の服の袖で窓の結露を拭ってみた。するとそこには辺り一面、白銀の世界が広がっていた。 「うおおっ……!こんな雪積もってんの初めて見た……!ナオちゃんっ!ほら、外見てみなよ!」 強めに肩を揺すってみたが起きる気配がない。だらしなくよだれを垂らしながら眠っている。 「ムニャムニャ……ゴキブリマンだぁ……」 (誰だよ!) 起きないなら仕方ない。後で怒られても面倒なのでジュンは再び目を閉じた。
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