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「…………ん!………すよ………さん!」
「ん……?」
誰かに呼ばれたような気がしたので目を開けてみる。すると正拳突きを見舞われた。
「岩手ですよワタヌキさん!早く降りないと!」
「ちょっ……鼻血が……」
「いいからぁっ!」
ジュンは奈緒に引っ張られ、鼻血を辺りに撒き散らしながら電車を降りた。駅のホームでも鼻血はボタボタ流れている。
「もぉーなに鼻血垂らしてるんですか!」
「誰かに正拳突きをされた気が」
「気のせいです!」
「………」
(きっと昨日チョコを食べ過ぎたんだなぁ……)
ジュンは鼻血を垂らしながら爽やかな笑顔で微笑み、鼻にティッシュを詰めた。
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