第二章:到着

5/9

5207人が本棚に入れています
本棚に追加
/1017ページ
「…………ん!………すよ………さん!」 「ん……?」 誰かに呼ばれたような気がしたので目を開けてみる。すると正拳突きを見舞われた。 「岩手ですよワタヌキさん!早く降りないと!」 「ちょっ……鼻血が……」 「いいからぁっ!」 ジュンは奈緒に引っ張られ、鼻血を辺りに撒き散らしながら電車を降りた。駅のホームでも鼻血はボタボタ流れている。 「もぉーなに鼻血垂らしてるんですか!」 「誰かに正拳突きをされた気が」 「気のせいです!」 「………」 (きっと昨日チョコを食べ過ぎたんだなぁ……) ジュンは鼻血を垂らしながら爽やかな笑顔で微笑み、鼻にティッシュを詰めた。
/1017ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5207人が本棚に入れています
本棚に追加