第二章:到着

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「こうやって近付くと改めてでかさを痛感するね。なんか城って感じがするよ」 「確かに立派なお屋敷ですねぇ。えーと呼び鈴、呼び鈴と……あった!」 『ピンポーン』 「……意外と普通だね」 「……ですね」 もっとすごい音がするかと思っていたが想像以上に普通のインターホンだ。しかしどうせカメラか何かがついてるに違いない。 すぐにそれは証明された。 『……あっ、ワタヌキさんとナオさんですね!お待ちしてました。今、門までお迎えに行くんでしばらくお待ちください』 水樹の声だ。やはりカメラ付きだ。こっちはしゃべっていないのに誰かバレてる。まあこんなにでかい屋敷だ。防犯カメラくらい腐るほどあるのだろう。 ボンヤリそんな事を考えていたら、突然門が開いた。 「すいませ~ん!お待たせしました!ようこそいらっしゃいました。ささ、どうぞお入りください。父がお待ちしてますので!」 出てきたのは水樹……だがやはり親父に会わなければいけないようだ。ジュンは愛想笑いしかできなかった。
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