第三章:可能性

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ふすまを開けると、いかにもといった雰囲気の厳しそうな老人がこちらをにらんでいた。ジュンは軽く会釈をして口を開く。 「は、はじめまして……ワタヌキ ジュンです。ワタヌキは四月一日って書いて…」 「遠路はるばるよくぞいらっしゃった。どうか楽にしていただきたい。ワタヌキさん……でよろしかったかな?」 「え?あ、はい。それからこの子が……」 「坂崎 奈緒ですっ!よろしくお願いします!」 「うむ。よろしく頼む。私は水樹 雪満(ミズキ ユキミツ)と申します。 あなた方がいらっしゃった理由は冷子から聞いております。私も涼太が自殺するなどとは思えないのです。できれば死の真相を知りたいと思うております。そこであなた方のお力をお借りしたい。 冷子からは優秀な方だと伺っておりますので……是非、お願いします」
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