第三章:可能性

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雪満の口調は丁寧ではあったが威圧的というか、どこかジュン達に対して期待とは別の感情を持っている気がした。 しかしその裏では、やはり事件の謎を解明してくれるといった期待を感じる。 2つの違う感情を同時に向けられジュンはどう反応すればいいかわからず黙り込んでしまった。 すると横から奈緒がそれを知ってか知らずか、無邪気に質問を始めた。 「あの!涼太さんってどなたなんですか?」 「涼太は私の婚約者。……つまり、亡くなった彼です」 「あ……」 聞いてはいけないことを聞いたと思ったのだろうか。今度は奈緒がモジモジしながら下を向いた。 「あまり気にしないでください奈緒さん。私もう平気ですから。 そうだ、ワタヌキさん。調査をするのにやはり現場を見ておいた方がいいですよね?……良ければ案内しますが」 自分に訊ねていることに気付き、ジュンはハッとしながら答えた。 「え?あ、ああ。そうですね。じゃあ案内してもらいます」
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