第四章:独裁バッドエンド

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凍り付きそうな冷たい風が吹く中、真っ白な地面を踏みしめジュンと奈緒は水樹に教えてもらったライブハウスに向かっていた。 目的はもちろん、独裁バッドエンドのメンバーに結城 涼太が自殺をするような悩みを持っているか聞くためである。 結城 涼太は数日前から水樹に対する態度や様子がおかしくなっていたらしいが、そうなってから彼はよく行きつけのライブハウスで集会を開いていたらしい。 だからもし彼が自殺をしたとして、さらに何らかの悩みが原因でありその悩みを知っているとすれば独裁バッドエンドのメンバーしか考えられない。 だからこそこんな寒空の下、わざわざ徒歩でライブハウスへと向かっているのだ。 まあ、奈緒はサイン色紙を握り締めているし若干の目的の違いはあるのだろうが。 ジュンはライブハウスに着くと体の雪を払って受付に足を向けた。
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