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「……開いてますよ」
カギはついていないが。
『失礼!』
ドアの向こうから女の声がしたかと思うとドアが勢いよく開いた。
驚く間もなく視界に飛び込んできたのはこれまた和風のこの屋敷には不釣り合いなメイド姿の女だった。
「どうも失礼!あたしはこの屋敷のメイド!女中じゃなくてメイド!侍女じゃなくてメイド!!」
「…………はぁ。どうも--」
「紅茶をお持ちしたんです!あとケーキも!」
メイドはワゴンをまるで子供がスーパーでやるように思いっきり押して走り出し、テーブルの前に来るとピタリと止まった。
「あの」
「なんですか!」
「とりあえずメイドだってことはわかったんですけど……なんでこの和風屋敷に洋風なものばかり運んでくるんですか……?」
ジュンはメイドの勢いに圧倒されて訳の分からないことを聞いてしまった。
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