第六章:一服

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それにしてもこのメイドはどうも苦手だ。そもそもこちらの言葉が通じているのか怪しい。 できれば関わりたくないのになぜこのメイドと一緒に風呂に向かっているのだろう? 「探偵さん」 「え?あ、はい」 「なんですか?」 「……は?」 「もう!なんであたしにそんな冷たくするんですか!もっと仲良くしてくださいよ……」 意味の分からないことを言いながらメイドはすすり泣きを始めたがこれが嘘だということくらい知っている。 「なんで嘘泣きするんですか?酔ってるんですか?」 「私、お酒もタバコもダメなの……なぜって私はまだ16歳だから」 (ああ、本当に意味がわからない。なんだこの人?情緒不安定なのか?) 隣でコロコロ性格を変えるメイドを見てジュンは呆れた顔でため息をついた。
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