第六章:一服

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「……ふぅー。やっとゆっくりできるな……」 ジュンは一人になった途端、意気揚々としながら浴室の扉を開いた。 扉の向こうはまさに銭湯のような広い浴室で『修学旅行でこんな風呂に入ったなぁ』と懐かしい気分になった。 ジュンはとにかく早く浸かりたいと湯に向かって飛び込んだ。 年甲斐もなく何をしているのだろうと自分でも思ったが誰がいるわけでもないし関係ない。久しぶりに一人でゆっくりできるのだから岩手まで来た甲斐があったというものだ。 ジュンは限界までゆっくりすることにして湯船で体を伸ばした。 ……一時間後。 すっかりのぼせたジュンは、もう少し適度にゆっくりすれば良かったと後悔しながら風呂場を後にした。
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