第七章:閃き

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ジュンは改めて犯人の通った道を指で辿って再現した。 「まず屋敷……犯人は何らかの理由をつけて涼太さんにおぶってもらい、この樹の下まで来た。 そして涼太さんの首を絞めて殺害。 さっき説明した方法で死体を樹にぶら下げた。そして……その後」 水樹は頷きながらつばを飲み込んだ。 ジュンの指がたどる道を見逃さないよう見つめ続ける。 しかしジュンの指は屋敷とは全く違う場所……池を指していた。 「……池?」 「池です」 さも池の上を飛んでいったかのように道をなぞるジュンに水樹は呆れた顔で失望に似たため息をついた。 「ワタヌキさん、こんな真冬に池になんか入ったらそれこそ心臓が止まるかもしれません。 心臓が止まらなくても風邪を引いたり、体調を崩すのは避けられ……」 水樹は顔をみるみる蒼くして体を震わせた。この震えが寒さによるものではなく絶望によるものだと一番わかっているのは他でもない水樹自身だった。
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