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「私は結婚にも賛成していたし、涼太やお前の音楽活動にも様々な援助をしてきた。その私をなぜ疑える?」
「だったらやってないんですね?信じて大丈夫ですね?」
「無論だ」
雪満は冷子の目を見てそう言った。
冷子も頷くように雪満の目を見る。
すると紅茶を注ぎながらその様子を見ていたメイドが突然立ち上がり2人を全く感情のこもっていない顔で見比べ、そして微笑んだ。
「茶番です」
そう言い放つと全く訳がわからない2人に背を向け部屋を出る。ふすまを開いて廊下に出るとメイドはクスッと小さく笑い、ちょうど遅れてやって来たジュンに声をかけた。
「私、今日は退屈してまして。そうですね、あなた達の紅茶を10分後にお持ちしましょう。期待していますわ」
これまた訳のわからないジュンと奈緒にメイドは微笑みかけてゆらゆらと廊下の向こうへ消えていった。
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