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「では手早く済ませてもらおう。あらぬ疑いは早くときたい」
「じゃあ単刀直入に聞きますけど……あなたが涼太さんを殺したんじゃないですか?」
「その根拠は?」
「根拠はないですけど……答えてほしいんです。それで全てわかりますから」
雪満は『やれやれ』と息をつき答える。
「それでは答える必要がないのではないでしょうか?根拠も何もない疑い、いや勘違いではないですか?そんな曖昧なものに答える必要は……」
「見えた!」
部屋にいる全員が一斉に奈緒の方を向いた。奈緒は雪満を指さして得意そうな顔をした。
「今、『根拠もない疑い、勘違い』って言ったときに少しだけ、動揺したのがわかりました!もしかしてホントは根拠のない勘違いじゃないから動揺したんじゃないですか?」
みるみるうちに雪満の顔が曇っていくのが、なんの力もないジュンや冷子にもはっきりわかった。
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