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「何が見えたというのかな?そんな適当なことを言ったって勘違いは勘違いなのだがね」
「ほら、また見えましたよ!『勘違い』って言うときに体が緊張してますよ?」
「だ、だから私は殺していないと言っているん……」
雪満はこの時、奈緒の力に気付いたのか、言いかけてから口を手で急いで覆った。だがもう気付いたときには遅かった。
奈緒がにっこりと笑う。
「殺していないっていうのは嘘ですよね?私には嘘がわかりますから。殺していないが嘘なら殺しているが本当。
そうなんでしょ水樹さんのお父さん?」
「う……」
雪満は口をパクパクさせたがやがて力なくうなだれ、下を向いてしまった。
奈緒はジュンにガッツポーズを決め、ジュンもそれに応える。
しかし嬉しそうな2人とは裏腹に冷子は妙な胸騒ぎがおさまらないでいた。
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