許嫁な彼女登場

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俺の声が消えると、また家中が静かになった 返事なんて返ってくる筈ないのに 返ってきたら逆に恐いけどね 俺が挨拶をしたのは、和室にある仏壇に飾られた二枚の写真 その二枚の写真には、それぞれ中年の男女が笑顔で写っていた 父さんと母さんだ もう死んでから二年程経つ あれは俺が中学二年になったばかりの時だった 父さんと母さんの死を知らせたのは一本の電話だった 交通事故だった 電話越しに話す警察官は、仕事なのか淡々と両親の死を、中学二年の俺に告げた
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